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私たち投資家は、日本の復興と世界経済を支える

 地震は、日本を脅かした。世界を変えた。さらに、地震は教えてくれた。人と人とのつながりの大切さ。関心が薄くなっていた核物質での環境汚染について。私たちは、地震を通じて「先進国としてのあり方」を学び直しているのかもしれない。

 戦争もなく平和な日本では、毎日幸せな暮らしを送ることができた。家に帰れば家族がいる。水も自由に飲める。空気はタダで好きなだけ吸える。しかし、これはもう過去のこと。戻りたいと切望しても、今やこの暮らしをすべての日本人が手に入れることはできない。

 地球上には、先進国もあれば発展途上国もある。日々争いが起こり、家族も離れ離れになるような国もある。生水を飲むことが、生死に関わるという地域もある。大気汚染が進む国は、呼吸すら安心してできない。日本人にとって、発展途上国の暮らしは、テレビの向こうの世界だ。熱々のごはんを食べながらニュースで見ていた。しかし、状況は変わった。地震の被災地ではいまだに不明の家族を探している人々がおられる。今日の糧(かて)すらわずかで、救援物資が届く見通しがつかない。同じ日本人が苦しんでいるのだ。テレビの向こうの世界ではないのだ。近年、人間関係が希薄化したと言われてきた日本だが、震災を機に「人と人とのつながり」を再認識させられることになった。

 日本の悲劇は、あっという間に世界に広がった。そして、グローバル化した経済は、すぐさま反応した。世界で株価が暴落した。さらに急激な円高が進み、協調介入という手段が取られた。企業活動に目を向けると、国内のみならず、日本からの部品が滞り、海外の製造業も商品が作れなくなった。日本の自然災害は、世界経済にも大きな打撃を与えた。グローバル化した経済において、一国が打撃を受けると、世界の企業、そして消費者にも影響を及ぼす。それも、GDPで中国に抜かれたとはいえ、世界第3位の日本の災害は、世界経済を震撼させる。

 私たちは、この地震で日本企業の世界での地位を再認識することになった。しかし、世界の企業は、日本の復興を待つのではなく、高度技術のサブサプライヤーを探し出す。つまり、「日本抜き」が進むことは否めない。

 被災地に笑顔が戻るためには、一刻もはやい復興を成し遂げねばならない。そのためには、国際経済の中でも日本の製造業や農業が後退してはならないのだ。日本企業の復興発展も、被災地の復興につながるのだ。東北に進出した自動車やその関連企業、家電などのハイテク製造業の操業再開は、東北復興のシンボルにもなろう。日本を一番知りつくした私たち投資家は、震災で暴落した株価チャートを調べ尽くし、この震災の爪あとを埋める未来を引き受けよう。同じ日本人として被災者の気持ちを知り、日本企業にも思い入れが強い私たちだからこそできる。どん底を買える投資家こそ、東日本大震災からの復興を支えることができると信じよう。

(2011/03/25掲載)


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